『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』を読んで

購入したのは金曜日。

読み始めたのは土曜日。

日曜日にようやく読了。

最近の自分としては、一気に読んだ部類に入る。

わくわくしながら土曜の朝、近所のコメダコーヒーで読み始め、
2時間コーヒーとモーニング(ゆで卵と厚切りトースト半枚)
追加でストレートティをいただきつつ、読んで4分の1。

移動時間を読書と居眠りに当てつつ、皐月賞観戦の外出。

村上春樹さん恒例の、セックス描写が出てくると、ちょっと読書速度と
モチベーションが落ちる。

女性二人で主人公を愛撫とか、(作品によってはスワッピングとか。
年上女性とのセックスも多い気がする。作者の性的嗜好・願望か?)
射精とか乳首陰毛、ヴァギナ、ペニスのありきたりな表現で、
そんなに村上作品を多く読んでいないけど、大体あ〜、きたな〜とがっくり。

なんだか、上品な熱帯雨林のテレビ番組を観てるみたいなんだもの。

帰宅して、布団の中で引き続き読み続ける。
ある程度読書願望が戻り、読み進んでいく。

人は心の傷と傷でつながってる。(みたいなとこ)

で、号泣。
やっぱり、村上春樹は、今読んでいるこの本の話だけでなく、
読む人それぞれの心の中の出来事に、小説の内容というか真髄がシンクロしてき
て、心をゆさぶってくれる。

前半で興味深く振っていった複線は回収せず。
(これも村上作品に結構ある。でも世の中の出来事って全部解決するわけないじ
ゃん、と読む人に思わせちゃう村上さんの力量が素敵)

後半の主人公のこれからも、書かず。
夏目漱石の『こころ』並みに、話の後の話が気にかかる)

家族の話もほとんど出ないところが、残念だけど。
あんまり全体的には、(長編村上作品の中では)深みの今ひとつない話だけど。

でも、読んでよかった。

この読書経験をありがとう。

ただ、本は一箱古本市で売ります。